ギブソンのレスポールやSGを手に入れようとすると、必ず出てくる「品質低下」の噂。実際に複数の年代の個体を所有したり試奏したりしてきましたが、いつからどう変わったのか、弾き手目線で振り返ってみます。ノーリン時代から始まった話が、最近の改善までどうつながるのか、スペックや演奏感を基に整理します。
ノーリン時代(1969-1986):コスト削減で始まった個体差の拡大
ギブソンがNorlin Industriesに買収された1969年頃から、品質のばらつきが目立つようになりました。経営の効率化でマホガニーの質が落ち、安価な木材を使ったり乾燥工程を短くしたりした結果です。実際に70年代のレスポールを弾いてみると、ボディバインディングの剥離が起きやすい個体が多く、重量も平均4kgを超える重いものが増えていました。重さ自体はサスティーンに寄与しますが、立奏で長時間弾くと肩が疲れるんですよね。
ただし、全てがハズレというわけではなく、手作業の痕跡が残る良い個体も存在します。僕が手に入れた1975年製のLes Paul Customは、ネックジョイントがしっかりしていて低音の響きが豊か。とはいえ、コストカットでフレット加工が粗く、ピッキング時の引っかかりを感じるケースが多かったです。この時代の見分け方は、外観の仕上げムラと重量バランスをまずチェックすることです。

Henry J時代後半(2008-2019):QCの最低期、フレットとピックアップの不安定さ
1986年にHenry Juszkiewiczが引き継いで一時復活したものの、2008年頃からのリーマンショック後がピークの低迷期。QC(品質管理)が緩み、フレットエッジの粗さが報告され、交換率が20%を超えるという声も。僕も2012年製のStandardを所有していましたが、フレットが鋭くて指先が痛くなり、すぐにファイルで整えました。ピックアップの出力も個体差が大きく、Burstbuckerが薄い音のものと太いものの差が激しいんです。
この時期のレスポールはネック反りが起きやすく、トラスロッド調整頻度が高くなりました。試奏でハイポジションの弾きにくさを確認した個体は、結局手放しました。とはいえ、カスタムショップのヒストリックモデルは別格で、伝統工法のhide glueジョイントが安定感を生んでいます。2018年の破産申請は、このQC問題が一因だったと言われます。
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→ サウンドハウスで在庫・価格を確認2020s(破産後):Plekマシン導入でセットアップ精度が向上
2018年の破産後、JC Curleigh新CEO体制で品質が持ち直しました。特にPlekマシンの全ギター適用が大きい。PlekはCNCでフレットを0.001インチ精度でレベルし、ナットをカットするので、工場出荷時の弾き心地が格段に良くなっています。僕が2022年製のLes Paul Standardを試奏したところ、ハイフレットでのコードチェンジがスムーズで、以前の個体よりフィンガリングが楽。Redditのユーザー集計でも満足度が90%超えという声が多く、2008-2019より良い出来だと実感します。
木材選定も厳しくなり、トップのフレイムメイプルが美しく響く個体が増えました。とはいえ、価格上昇で中古市場が活況ですが、新品の信頼性は上がっています。この変化は、Gibson公式の製造プロセス強化によるもです。

中古・新品の見極め方:DIYチェックとセットアップTips
品質低下の歴史を知っても、購入時は自分で確認を。まずフレットエッジを直線定規でチェックし、粗いものは避けます。ネック反りは6フレットと12フレットで弦高を測り、2.5mm超なら調整必要。僕の経験では、ピックアップの高さ調整で出力不安定を8割解消できます。
ハズレ回避のセットアップTipsとして、トラスロッドを1/4ターン緩めてから弦張り直し。Plek済みの新品は最小限で済みますが、古い個体はプロショップ推奨。実際にこれでノーリン時代の重いレスポールを軽快に変えました。重量計で4kg以内に収まるものを選ぶのもコツです。
試奏動画を参考に、クリーン〜オーバードライブでサスティーンを確認。公式サイトのスペックシートを印刷して照合すると安心です。

まとめ:時代ごとの違いを理解して良い一本を
ギブソンの品質はノーリンから低下し、Henry J後半で底を打ち、2020sでPlekにより回復。僕の複数所有経験から、当たり外れを減らすには試奏とDIYチェックが鍵。気になったLes Paulは店頭で弾いてみて。長く付き合える相棒が見つかるはずです。

