フジゲン製 Epiphone Les Paul Special ’06 TV yellow 精巧という味のギター

フジゲンレスポールスペシャル
目次

フジゲン製エピフォン レスポールスペシャル TV Yellowとの出会い

マイコレクションの一つ、エピフォンのレスポールスペシャルです。日本製ギブソンのP90を弾きたくなり中古で購入しました。TV Yellowという独特のカラーリングと、フジゲン製という品質の高さに惹かれて手に入れた一本です。

レスポールスペシャルは、レスポールスタンダードやカスタムと比べるとシンプルな構成のギターです。P90ピックアップ、ラップアラウンドブリッジ、フラットトップというミニマルな仕様で、その飾らないキャラクターがロックやブルースのプレイヤーに根強い人気があります。

エピフォンというブランドの歴史

エピフォンと言うと、現在はギブソン社のギターやベースギターの廉価版というイメージが強いですね。韓国、中国、インドネシアで作られているいわゆるOEMというやつです。ギブソンのコピーモデルを作っているメーカーにギブソンの冠をつけてあげよう、という感じかもしれません。

しかし、エピフォンの歴史を紐解くと、実はギブソンよりも古い老舗メーカーなのです。1873年にギリシャからの移民であるアナスタシオス・スタソプーロスがバイオリンやリュートの製造を始めたのが起源とされています。その後、息子のエパミノンダス(通称エピ)がギター製造に力を入れ、「エピフォン」というブランド名が生まれました。

エピフォンは初めてソリッドギターのトーンコントロールを作ったり、1941年にレス・ポールギターを考案したレス・ポールさんがエピフォンの工場でソリッドギターの試作品の開発を開始したという話があったり、現代のソリッドギターの元祖を作ってきたメーカーなんです。1957年にギブソンに買収されてからは廉価ブランドとしての位置づけになりましたが、そのDNAには確かな楽器製造の伝統が流れています。

フジゲン製であることの価値

Made in Japanギターの代名詞はフジゲンや寺田ですが、このレスポールスペシャルはフジゲン製です。シリアルにFと書かれてますので一目瞭然。

フジゲン製 Epiphone Les Paul Special '06 TV yellow

GIBSONロゴ入り!

フジゲンは長野県松本市に本社を置く楽器メーカーで、1960年代からギター製造を行っています。Fender Japanの製造元としても知られ、その精密な加工技術は世界的に評価されています。フレットの打ち込み精度、ネックの仕込み角度、塗装の均一さなど、日本のものづくりの真骨頂とも言える品質を誇ります。

フジゲンが製造を担当していた時期のエピフォンは、特にコレクターの間で高い評価を受けています。2000年代前半から中頃にかけて製造されたモデルは、本家ギブソンに迫る品質でありながら、価格は数分の一という驚異的なコストパフォーマンスでした。

外観と質感のレビュー

手にした第一印象としては軽いこと。持った感じ、ギブソンに慣れてしまったため、質感も含めてすごく軽く感じます。こんな軽い木があるのかと、子供のころ図工で遊んだバルサ材を思い出しました。おそらくバスウッドかポプラ材が使われていると思われます。

塗装は薄いのでラッカーかもしれません。色は日本製っぽいはっきりとした色です。ギブソンの絶妙なTVイエローとは若干違います。ギブソンのTVイエローは経年で飴色に変化していく独特の味わいがあるのですが、日本製はやや明るめでくっきりした黄色です。これは好みが分かれるところですが、日本製らしい丁寧さが感じられます。

10年以上前の製品で、かなり弾きこまれた跡がありますが、チューニングとピッチの正確さはさすが日本製といったところです。チューニングは細かいレンジで調整ができます。ギブソンのように、あれ行き過ぎた、今度は戻しすぎた、なんていう緩さは微塵も感じません。このペグの精度の高さは、フジゲン製の大きなアドバンテージです。

ネックと演奏性

グリップの感じがなんとなく頼りない気がしますが、握りやすいですし、押弦も楽です。このあたりが日本人向けに作られたギターなのかもしれません。演奏しやすいのでギターを弾くのが楽しくなります。

ネックの仕上げは非常に滑らかで、ポジション移動もスムーズです。フレットの処理も丁寧で、エッジがひっかかるようなことは一切ありません。こうした細部の仕上げの良さこそが、フジゲン製ギターの真価と言えるでしょう。長時間の演奏でも手が疲れにくいのは、こうした丁寧な仕上げのおかげです。

P90ピックアップの魅力

ピックアップはP90です。リード線が所狭しと配線されています。リードの長さがぎりぎりなので、テンションが高くてちょっと触るのがちょっと怖い。キャビティ内はしっかりシールド塗装がされています。

フジゲン製 Epiphone Les Paul Special '06 TV yellow フジゲン製 Epiphone Les Paul Special '06 TV yellow

P90はシングルコイルピックアップの一種ですが、一般的なストラトキャスター系のシングルコイルとは全く異なるキャラクターを持っています。太くてパンチのある中音域が特徴で、ハムバッカーほど太くなく、シングルコイルほどシャキシャキしない、絶妙な立ち位置のピックアップです。ブルースやロックンロールとの相性が抜群で、クランチさせた時の「ジャキッ」とした歯切れの良さはP90ならではです。

サウンドレビュー

サウンドですが、生音の響きはいい一方、アンプから出る音は少しパンチが無い気がします。F特(周波数特性)はいいですが、音色の個性がありません。でもP90らしさがしっかり出ていて、レスポールを弾いているなぁと思う事ができます。

クリーントーンではジャズやブルースに合う甘い音が出ます。ボリュームを絞った時のクリーンは特に美しく、コードを鳴らした時の各弦の分離感も良好です。歪ませるとP90特有のガッツのある中音域が前に出てきて、ロックンロールが気持ちよく弾けます。ただし、ゲインを上げすぎるとノイズが気になることがあります。これはP90の宿命とも言えるところです。

ギブソンとの違いまとめ

国産ギターはやっぱり、オール5の優等生ですね。良くも悪くも平均的です。ギブソンが持つ「ワイルドさ」や「当たり外れのある個性」は薄いですが、その分、安定した品質で安心して弾くことができます。

ギブソンは木材の選定や製造工程に職人的な「揺らぎ」があり、それが独特の個性を生みます。一方でフジゲン製エピフォンは工業製品としての完成度が高く、誰が弾いても一定以上のパフォーマンスを発揮してくれます。どちらが優れているかではなく、求めるものによって選び分けるのがベストです。

安くて良い物を探している方、P90サウンドを試してみたい方、日本製の精密な作りを体感したい方には、フジゲン製エピフォンは非常に良い選択肢だと思います。中古市場でも人気があるので、見つけたら迷わず試奏してみてください。

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この記事を書いた人

かつて「伝説の四代目」と呼ばれた。
「モテたい」――そんな単純かつ純粋な理由で手にしたロックギター。
ギター部の片隅でコードFに心を折られながら文化祭のステージでは教室の窓を震わせた。

あれから20年。スコッチウィスキーを片手に、アコースティックギターを優しく奏でる日々。これからギターを始める者たちへの「ヒント」を届ける。
かつての自分と同じように、音に憧れ、つまずき、そしてまた立ち上がろうとする誰かのために――。

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