楽器屋でギターを購入するときの試奏チェックポイント

目次

はじめに:試奏が大切な理由

ギターは高い物ですし、長く付き合うパートナーですので、購入する際は慎重に選びたいもの。しかし、慣れていないとどこで判断していいのかが難しいですよね。この記事では購入する際の試奏のチェックポイントを詳しくお知らせしたいと思います。

音だけではなく、見た目や演奏性(弾きやすさ)、ピッチやチューニング、ピックアップなどの電気回路も含め、たくさんのチェックポイントがあります。一つひとつ「なぜ確認するのか」も含めて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

楽器屋でギターを購入するときの試奏チェックポイント

準備編:楽器屋に行く前にやるべきこと

予め欲しいギターの目星をつけておく

メーカー、デザイン、色、音の傾向、弾きやすさなど、ある程度の条件を決めておきましょう。楽器屋に行くと目移りしてしまい、本来の目的を忘れてしまうことがあります。事前にYouTubeやメーカーのサイトで音や見た目を確認しておくと、試奏がより効率的になります。

10本以上は試奏する覚悟を持つ

ギターは1本1本個体差があります。同じモデルでも木材の個性によって鳴りが違うので、できるだけ多くの本数を弾き比べましょう。3本程度で決めてしまうと、後から「もっといい個体があったかも」と後悔することがあります。

日を変えて試奏する

人間の感覚は日によって変わります。疲れている日と元気な日では、同じギターでも印象が異なることがあります。また、湿度や気温によってギターの木材のコンディションも変化するため、日を変えて同じギターを弾くことで、より正確な判断ができます。

アンプを変えて弾いてみる

マーシャルとフェンダーでは、同じギターでも全く違う音がします。お店のアンプは試奏用に設定されているので、できれば自分が普段使っているアンプに近いものを選びましょう。クリーン系ならフェンダー、歪み系ならマーシャルという具合に、複数のアンプで試すことで、そのギターの本当の実力が見えてきます。

チューナーを持参する

自分でチューニングすることで、ペグの操作感やチューニングの安定性をチェックできます。借りることもできますが、使い慣れたチューナーの方がより正確に判断できます。クリップチューナーならポケットに入るので、常にカバンに入れておくと便利です。

普段使っている小物を持参する

ピックの厚さや形状によって、弾き心地やトーンが変わります。お店のピックは自分の好みと違うことが多いので、普段使っているピックやストラップを持参しましょう。自分の環境に近い条件で試奏することが大切です。

遠慮せずに大きな音を出す

小さな音では、ギターの本当のダイナミクスや鳴りを確認できません。店員さんは試奏に慣れているので、遠慮せずに普段の演奏と同じ音量で弾きましょう。むしろ大きな音で弾いてくれる方が、店員さんも適切なアドバイスがしやすいのです。

試奏前の外観チェック

ネックの状態を確認する

ネックが真っすぐかどうかは、ギターの演奏性を大きく左右します。1フレットと最終フレットを同時に押さえて、中間のフレットとの隙間を見ます。わずかに隙間がある(順反り気味)のが理想的です。逆反りや大きな順反りは要調整のサインです。中古の場合は補修歴がないかも重要なチェックポイントです。

ヘッドの付け根を確認する

特にギブソン系のギターは、ヘッドの角度がついているため折れやすい構造です。補修跡がある場合、見た目は綺麗でもネックの強度が落ちていたり、音の伝達に影響している可能性があります。光に当てて、塗装の色味が変わっていないか確認しましょう。

チューニングの安定性を確認する

ペグを回した時にスムーズに動くか、ガタつきがないかを確認します。安いペグはギア比が低く、細かい調整が難しいことがあります。チューニングして数分放置した後に再度確認し、大きくずれていないかもチェックしましょう。

パーツの変更や交換がないか

特に中古ギターの場合、ピックアップやペグ、ブリッジなどのパーツが交換されていることがあります。純正パーツかどうかは音質や価値に影響するので、気になる場合は店員さんに確認しましょう。

塗装の状態を確認する

傷や打痕は演奏には影響しないことが多いですが、大きなクラックや剥がれは、木材自体にダメージが及んでいる可能性があります。特にネック周辺の塗装の状態は注意して確認しましょう。

試奏中のチェックポイント

ローポジションの弾きやすさと音程

開放弦からローポジションでコードを弾いた時に、各弦がきれいに鳴るかを確認します。特にFコードのバレーコードは分かりやすいテストです。ビビりがないか、音が詰まらないか、弦高が適切かをチェックします。ナットの溝が深すぎると開放弦がビビり、浅すぎるとローポジションの押弦が重くなります。

ハイポジションの弾きやすさ

12フレット以降でのチョーキングや単音弾きで、音詰まりがないかを確認します。ハイポジションでの音詰まりは、ネックの反りやフレットの摩耗が原因であることが多いです。ギターによってはハイポジションのアクセスがしにくい設計のものもあるので、自分の演奏スタイルに合うかも大切です。

ピッチの安定性を確認する

チョーキングやアーミングをした後に、チューニングが大きくずれないかを確認します。ナットの溝の仕上げが悪いと、弦がナットに引っかかってチューニングが安定しません。トレモロアーム付きのギターは特に重要なチェックポイントです。

電気系統の確認

ボリュームやトーンのノブを回した時にガリ(ノイズ)が出ないかを確認します。ガリはポットの劣化や汚れが原因です。また、ピックアップセレクターを切り替えた時に音が途切れないかもチェックしましょう。電気系統のトラブルは修理可能ですが、新品であれば問題ないのが当然です。

クリーン・クランチ・歪みの全ての音を確認する

自分が普段使うサウンドだけでなく、クリーン、クランチ、ハイゲインの全ての音色を確認しましょう。クリーンが良くても歪ませるとイマイチ、ということもあります。ギターの総合的なポテンシャルを把握するために、幅広いセッティングで試すことが大切です。

購入前に知っておきたい大切なこと

ギターは家電や洋服などと違い、同じ商品でも見た目や音の個性が違います。自然の木なので同じ物はありません。ギターを作った日(人)でも変わります。ほかにも、店舗の湿度管理などでも微妙に音が変わります。全く同じギターでも1週間前に弾いた時と音が違う気がする事もよくあります。

ポイントとしては、たくさん、何度も、別の物を試す事です。同じギターを違う店、違う日、違うアンプで試してみましょう。そして遠慮なく大きな音を出して納得いくまで弾き比べましょう。それと、もし気になる所があったら遠慮なく楽器屋さんに相談した方がいいです。取り寄せてくれたり、調整をしてくれたりします。

筆者は若いころギブソンのレスポールがお店になかったのでカタログで注文してそのまま買った経験があるのですが、ハイポジションが詰まっていて弾きづらくて、気に入らずに売ってしまった事があります。注文して購入する場合も、遠慮なく何度も試してから購入する事をお勧めします。

まとめ:後悔しないギター選びのために

ギター選びは楽しくもあり、難しくもあります。しかし、この記事で紹介したチェックポイントを一つずつ確認していけば、大きな失敗は防げるはずです。何より大切なのは、自分が「このギターを弾きたい」と心から思えるかどうか。スペックや価格も大切ですが、最終的には自分の直感も信じてください。良いギターとの出会いは、音楽人生をより豊かにしてくれるはずです。

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この記事を書いた人

かつて「伝説の四代目」と呼ばれた。
「モテたい」――そんな単純かつ純粋な理由で手にしたロックギター。
ギター部の片隅でコードFに心を折られながら文化祭のステージでは教室の窓を震わせた。

あれから20年。スコッチウィスキーを片手に、アコースティックギターを優しく奏でる日々。これからギターを始める者たちへの「ヒント」を届ける。
かつての自分と同じように、音に憧れ、つまずき、そしてまた立ち上がろうとする誰かのために――。

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