J45のトップが割れました

J45トップ割れ
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突然の爆音 ― それはトップ割れの瞬間だった

この年末、冬の晴れた日に1人でデスク作業をしていると、突然、「パッキーン」と、立てかけていたJ45の方から爆音が響きました。

なんだなんだ?人はいないのに、ポルターガイストか?と、思う位物すごい大きな音が部屋の中に響き渡りました。恐る恐るJ45に近づき、どこを触ってみても何の変哲もなかったので、そのままスルーしていました。真剣にポルターガイストだと思ってました(笑)

数日後、いつも通りにJ45を弾いている時に、トップが激しく割れている事に気づきました。その時は全く心当たりがなく、原因が分からなかったのですが、ポルターガイスト現象と思っていた事がトップ割れの瞬間だったのだとその時気づいたのです。

J45は冬の乾燥に耐え切れずにトップが割けてしまったのです。サウンドホールの所からボディエンドの所まで一直線に筋が入りました。

なぜアコギのトップは割れるのか

アコースティックギターのトップ板は、スプルースやシダーなどの単板で作られています。単板は合板に比べて振動特性に優れ、豊かな鳴りを生み出しますが、その反面、湿度の変化に非常に敏感です。

木材は湿度が高いと水分を吸収して膨張し、湿度が低いと水分を放出して収縮します。冬場の暖房が効いた室内は湿度が20〜30%まで下がることも珍しくありません。ギターにとっての適正湿度は40〜60%と言われており、これを大幅に下回ると木材が急激に収縮し、耐えきれなくなった箇所からクラック(割れ)が発生します。

特にGibson J-45のようなラッカー塗装のギターは、ポリウレタン塗装に比べて塗膜が薄いため、外部の湿度変化がダイレクトに木材に伝わります。合板トップのギターでは起こりにくいトラブルが、単板のギターでは深刻な問題になるのです。

トップ割れの修理費用の相場

トップ割れの修理費用は、割れの程度やリペアショップによって異なりますが、おおよその相場は以下の通りです。

軽度の割れ(接着のみ):1万円〜3万円程度。割れた部分を接着剤で固定し、クランプで圧着する修理です。割れが小さく、木材が欠けていない場合はこの方法で対応できます。

中程度の割れ(クリート補強あり):3万円〜5万円程度。割れた箇所の裏側にクリート(小さな木片)を接着して補強する修理です。サウンドホールからボディエンドまで長い割れが入った場合など、接着だけでは強度が不足する場合に行われます。

重度の割れ(塗装修正込み):5万円〜10万円以上。割れの修理に加えて、表面の塗装を修正する場合はさらに費用がかかります。ラッカー塗装の場合、部分的なタッチアップでも塗装の乾燥に時間がかかるため、預かり期間も長くなります。

私のJ45は近所のギターショップに1か月間入院することになりました。ギターが割れてしまったのもショックでしたが、1か月もアコギが弾けないのもショックでした。改めてギターを大事に扱おうと思いました。

トップ割れを予防する方法

アコギは湿度対策が必要です。」アコギの取り扱い説明書にも、先人たちのブログにもそう書いています。日本は湿度が高いからと思い、夏はギターを陰干ししたり、シリカゲルや竹炭を買ってギターケースに入れたりと、湿気対策を施しました。

しかし、冬の乾燥についてはノーマークでした。まさかギターの木が割れるとは思ってもいませんでした。以前持っていたアコギは国産でトップが合板、ポリ塗装。それに比べて、単板でラッカー塗装のデリケートなアコギについて無知だったのです。

部屋の湿度管理

最も基本的な対策は、部屋全体の湿度を40〜60%に保つことです。冬場はエアコンやファンヒーターで室内が極度に乾燥するため、加湿器の使用が効果的です。スチーム式やハイブリッド式の加湿器であれば、広い部屋でも十分な加湿が可能です。加湿器がない場合は、濡れタオルを干したり、洗濯物を室内に干すだけでも一定の効果があります。

ギターケース内の湿度管理

ギターを弾かないときはハードケースに入れておくのが理想です。ハードケースは外部の湿度変化を緩衝してくれるため、室内の急激な湿度低下からギターを守ることができます。さらに、ケース内にギター専用の湿度調整グッズを入れておくと安心です。

おすすめの湿度管理グッズ

湿度に弱い弦楽器の管理に必須の湿度計

湿度を40-60%に保つための必需品です!湿度に弱い弦楽器の管理をするために必須の湿度計!文字盤が非常にシンプルで見やすく、マジックテープ付なのでケース内にも装着できるので、いつでもどこでも湿度の管理が可能です!

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サウンドホールに固定して使用する加湿器(おすすめ!)

乾燥対策をしっかり行いましょう!アコースティックギターのサウンドホールに固定して使用する加湿器。冬など乾燥しやすい環境からギターを守ります。水を含ませたスポンジをサウンドホールに取り付けるだけの簡単な仕組みですが、ケース内の湿度をゆっくりと適正範囲に保ってくれます。

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シリカゲルの2倍の吸湿量と5倍の吸湿スピードを持つ日本製機能性素材

梅雨時期などの湿度対策に!MOISSは一般的な乾燥材として使用されるシリカゲルの2倍の吸湿量と5倍の吸湿スピードを持つ日本製機能性素材を使用しています。通常の使用状態で約1-2年使用することが可能ですが、湿度吸放出の頻度によって使用可能時間は変化します。このMOISSの優れた点は、湿度が高いときは吸湿し、低いときは放湿するという双方向の調湿機能を持っていることです。

MOISS ギター用湿度調整剤

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季節ごとの湿度対策まとめ

春(3〜5月):比較的安定した季節ですが、花粉対策で換気を控えがちになると室内が乾燥することがあります。湿度計で確認する習慣をつけましょう。

夏(6〜8月):梅雨時期は湿度が70%以上になることもあり、カビや膨張のリスクがあります。除湿剤やシリカゲルをケースに入れ、ギターを直射日光の当たらない場所に保管しましょう。

秋(9〜11月):気温の低下とともに徐々に乾燥が始まります。10月後半からは加湿を意識し始める時期です。

冬(12〜2月):最も危険な季節です。暖房による乾燥で湿度が20%台まで下がることがあります。加湿器の使用とケース保管を徹底しましょう。私のJ45が割れたのもこの時期です。

皆さんも、湿度対策をしっかり行いましょう!大切なギターを長く良い状態で弾き続けるために、湿度管理は欠かせない習慣です。

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この記事を書いた人

かつて「伝説の四代目」と呼ばれた。
「モテたい」――そんな単純かつ純粋な理由で手にしたロックギター。
ギター部の片隅でコードFに心を折られながら文化祭のステージでは教室の窓を震わせた。

あれから20年。スコッチウィスキーを片手に、アコースティックギターを優しく奏でる日々。これからギターを始める者たちへの「ヒント」を届ける。
かつての自分と同じように、音に憧れ、つまずき、そしてまた立ち上がろうとする誰かのために――。

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